2013年3月4日月曜日

北京強烈

北京上空は雲に覆われていた。
その向こうに薄っすらと、不自然なくらい整列した高層マンションと大きな川がみえた。


おかしい。
曇って透けるんだろうか。それに、茶色い。
雲じゃない。

土か、チリか、これが噂のPMなんとかというやつなのか、とにかく僕が雲だと思ったそれは、埃の層であった。

空と北京との間には、はっきり境界線があった。
飛行機が北京に飲み込まれた。

北京は夕暮れ時。
その層を通過して、夕焼けは淡く街を包み込んでいた。

しかし、浸っている時間はない。北京ではトランジットが1時間半しかなく、その中で一度荷物を受け取り、入国し、出国しなければならない。
急いで荷物コンベアーへ向かった。

ところが、僕の荷物は一向に流れてくることなく、コンベアーの上につけられた電光掲示板には、次の便名が映し出されたのだ。

慌てて近くのスタッフにたずねると、
「あなたは国際線のコンベアーよ。ここじゃないわ。」
と言われた。
なんだよそんなん知らん!無駄に30分くらい来るはずもない荷物を待ってしまった!

言われたところへ向かうと、無人のコンベアーの脇に無造作に僕の荷物が放られていた。

出発まで時間がない。
重い荷物を抱え、端の霞むほど広い空港を駆け回る。

ようやく、昆明行の飛行機に乗るためのチェックインカウンターを見つけたが、そこには行列が出来ている。
出発の時間まで、もう20分を切っていた。

チェックインカウンターで客を整列させるお兄さんにEチケットみせて泣きついた。
「これ乗りたいの。乗らなければならないの。」

するとお兄さん血相変えた!
僕からパスポートとEチケットを奪い、割り込んでいってチェックインを済まし、「ついてこい!」と走り出す!

やべかっけー。

「こっちだ!ここに荷物を預けろ!」
ともう閉まっていた所を開放してくれて荷物も無事あずけることに成功。

「しぇいしぇいー。しぇいしぇいー。」
と僕が言っても
「いいから走れ!」と僕の背中を押すお兄さんに、僕は幼き頃に見たヒーローの姿さえ覚えた。

ということで搭乗ゲートまでダッシュ!
足吊りそう!
300mくらい走ってようやく到着。

肩で息をし、汗をぐっしょりかきながら、飛行機に乗り込み、乗り継ぎが完了したことに安堵した。


足は吊った。


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